Art-Net4の機能の一つ:ArtDMXについて説明します。規格におけるArtDMXの項には、ArtDMXに関連する機能についても紹介されています。そこについても紹介します。
※Art-Net4(v1.4)は2017年1月22日にドキュメントが出ています。そのため、少なくとも2017年以降に発売した製品が対象の解説になっています。
結論
- 調光卓(Controller)、ノード(Node)、メディアサーバー(Media Server)からDMX512パケットを伝送
- ユニキャストでの伝送が推奨されている
- 別の卓からの同じ系統を合成出力する(関連機能)
参照先:Specification for the Art-Net 4 Ethernet Communication Protocol https://artisticlicence.com/WebSiteMaster/User%20Guides/art-net.pdf
ユニバースの設定
出力先のノード(Node)は、ポート毎に出力するユニバースの設定を行う必要があります。設定することによりノード(Node)は、調光卓(Controller)から出力されるユニバースを出力するかどうかの判断をすることができます。
変化がない時は4秒間隔で送信
調光卓(Controller)を操作する中でも、レベルの変更がないユニバースも存在すると思います。そういうユニバースは、4秒間隔で出力するように規定されています。送信元がArt-NetだけでなくsACN にも対応している場合は、sACNの再送信間隔である800ms〜1000msに設定するよう推奨されています。
送信設定について
データの合成
Art-Netでは複数の調光卓(Controller)やノード(Node)から同じユニバースが送信されることを許容しています。しかし、同じユニバースが入力された場合、それらを区別しなければ連続して入力される二つの入力により、出力がパタつきます。そのような場合には下記の対策を取ることを例に挙げています。
- エラー状態を示すか待ちを加える
- 自動でデータを合成する
ちなみに、Art-Netの規格では2つの調光卓(同一ユニバース)の入力まで良いという制約があります。ノード(Node)によっては別のユニバースの合成まで許容しているケースがあると思います。それはその製品の優位性であり、Art-Netで規定されているものではありません。
合成の種類
合成(Merge)のオプションは高いレベルを優先するHTPモードと最新の入力を優先するLTPモードがあります。これらの設定はArtAddressという機能で設定することが可能です。
合成の入力が止まった場合
合成では同一系統2入力まで許容されています。そのうちの一つの系統の入力が途切れた場合、10秒間だけ入力を待ちます。10秒を超えた場合、合成の入力は解除されたと判断し、ノードはマージモードを解除します。
ノードに複数入力があるときの注意
ノードに複数の入力がある場合、同じユニバースを別のポートで設定しないようにしてください。ノードにはIPアドレスは一つなので、受信側は同じユニバースをIPアドレスで区別することができなくなります。同じユニバースを使用する際はこの点に注意しましょう。
※1:Art-Netとは?変遷に迫る。 - 照明ネットワーク
まとめ
Art-Netプロトコルにおける、ArtDMXについて紹介しました。最も基本的な機能なのでレベル変化が無い時の送信間隔、送信方法はユニキャスト推奨である、ということについては覚えておいても良いと思います。
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上記の内容で不明点ある場合は、下記記事を参照ください。
※1:show-network-lab.hateblo.jp
※2:show-network-lab.hateblo.jp